これまでポリ袋不織布バッグ紙袋への印刷について書いてきましたが、今回はその印刷そのものに使う「色」の話です。
人は「光」で色を識別します

太陽の下で地球の生物が目を持って以来、そのほとんどは「光」を感じて色を識別します。なので人間が見える色は全て「光の三原色」で表せ、あなたが今見ているモニターやスマホ画面、テレビもその「光の三原色」つまり「赤 Red」「緑Green」「青 Blue」の組み合わせで絵や文字が表示されています。白は全ての色がある状態、逆に無いと黒に見えるのです。「RGB」や「加法混色」と言われるのがこれ。
RGB

ところがこの色を印刷などでそのまま使うのは不可能です。なぜかというと、光はいろいろな色を混ぜると、どんどん白に近づく(太陽の光をプリズムで分けて、虹を作ったりしませんでしたか?)のですが、同じようにいろんな色のインクを混ぜると、出来上がったものはどんどん黒に近づいていってしまうからです。
そこで使われるのが光の三原色と逆の「減法混色」と言われる色の三原色、いわゆる「CMYK」です。
CMY+K

 

上の図を見て「あれ? CMYKの“K”は?」と思った方も多いと思います。
本当ならCMYの三色を混ぜると黒になるのですが、実はこの方法では完全な黒色を出すのが難しい(水彩絵の具のセットを持っている方は、白と黒以外の全色を混ぜてどんな色になるかを試して見て下さい)ので、黒の色を足すことで引き締まった黒色を表現します。
ちなみに「K」は黒の略だと長年思っていた私ですが、「そういえば海外でもCMY“K”と呼ぶけど、流石にカラー印刷は日本発祥ではないよなぁ」と調べてみたところ、世の中では「Bだとブルーと間違いやすいので“blacK”で“K”を使った」派と、「元来輪郭線や細部表現に使われていたキー・プレート“Key plate”版の略」だという派閥が喧々諤々、どうやら決着はついていないようでした。

 

白地にワインレッド

さて本題に戻って、印刷に使う色は基本的に「CMYK」の組み合わせで表記するということで、例えば「白地にワインレッドでロゴを印刷」の場合、ワインレッドの色を表現するためには、「C=0%,M=80%,Y=30%,K=30%」といった風に色をCMYKの四色に分解し、それぞれの色の版でインクをプリントしてワインレッド色を印刷します。

フルカラー印刷の場合はこれで何も問題ないのですが、問題は不織布バッグワイングラスホルダー等にロゴを一色で印刷する場合。

弊社「fukuroyasan.jp」尾崎紙工所でも、よく印刷の指定に「片面一色」と言った表現を使いますが、この「一色」がくせ者で、この指定は一つの色の版だけを使うことを意味します。
上記の「ワインレッド」の場合、実際には一色ではなく三色分の版と手間が必要となってしまいますし、もちろんその分価格も上がってしまうのです。さらにシルクスクリーン印刷では版ズレの問題もありますし、そもそも金色や銀色のようにCMYKの四色では表現できない色も、世の中には存在します。

ではどうするか。話は簡単で、あらかじめ調合された「ワインレッド色」を準備しておけば、手間は一色分ですんでしまいます(こうして作られた色を「特色」といいます)。
さらに、頭の中にある色を表現するのは難しいのですが、そんな時のために、世の中には特色を大量に揃えた色見本帳というものがあります。「DIC」や「Pantone」のものが有名ですね。

色見本

「DIC」や(海外生産の場合はなるべく)「Pantone」の番号で色を指定すれば、お互いにどんな色かが確実に判りますので、ご希望の色での印刷が可能です。
もちろん、会社などのコーポレートカラーとして指定されていれば別ですが、特色の色番号なんて知らないお客様の方が大多数ですので、そんな時は「こんな色」とご相談いただければ、担当者が候補の番号をいくつか選び、お客様はそれを見てご希望の色を選択いただけます。

不織布バッグ等の海外生産の場合、どうしても生地色は生地色見本の20色程度からの選択になりますが、印刷色はお客様のご希望次第でほぼ自由に選べます。お客様のイマジネーションをオリジナルの製品に具現化する。fukuroyasan.jp尾崎紙工所は全力でそのお手伝いをさせていただきます。

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